奏手候『米国ツアー2016』記録


2016.4.15(金)
13時間飛行機に揺られ米国入り。

ああ、アメリカの匂いだ。1年ぶりに、帰って来た。
去年の帰国の際にお世話になった通訳さんと空港で再会し、用意して下さっていた今年もまた立派過ぎるリムジンで(!)さくらまつり会場近くのホテルへ。

去年とは違う場所での開催だったが、今年も大きな道路をまるまる封鎖し、膨大な広さの会場がまだ静かに待ち構えていた。
今年はスケジュールの関係で到着早々ステージが待っていた。
ワシントンで行なわれる、「ジャパンボウル」という日本の勉強をしている高校生の全米クイズ大会へゲストで呼んで頂いた。

ドラムもPA機材もなくPAさんもいらっしゃらない場所での公演は流石に初めてで戸惑いもあったが、呼んで下さった方達の気持ちを無駄にしない様、出来る限りの事をしようと臨んだ。
いつもの奏手候のスタイルではお見せ出来ない中、喜んでくれるのだろうかと不安もあったが、MCでの問いかけにも温かく応えてくれ、たくさん手拍子をして下さった。そして最後にはスタンディングオべーションまで下さった。
更にこの日見てくれていた大勢の高校生の皆さんが、翌日もう一度フェスに足を運んでくれる事になるとは、この時は誰も予想していなかった。






2016.4.16(土)
ワシントンでのさくらまつり当日。
前夜に物凄いスピードで組み上げられた複数の見事なステージがお出迎えしてくれた。
アメリカの工事と言うのはなんて速いんだろうと驚愕。
朝一から会場入りし、入念にリハーサルをさせて頂いた。

今年はどれくらいのお客様がいらっしゃるだろう。
去年の様な大群衆に会えるだろうか。
期待と不安を胸に、準備をしながら開場を待った。

そして開場。
今年も二箇所の大きなステージを用意して頂けた。
第一部のステージへと向かう。

ステージの階段を上がると、飛び込んできた。



嗚呼…!!!

果てが見えない程の大群集が、今年も迎えて下さった。
ステージに上がると、わっと拍手が起こり、温かい声援が飛んだ。
こういう時、いつも言葉にならない感情が押し寄せる。
そうして気持ちがしゃんとなる。

「絶対に喜んでもらおう…!!!」

第一部が幕を開ける。
日本では考えられない程の規模、地鳴りの様な大迫力の音達が、ずっとずっと遠くまで駆け抜けて行った。
そして、数万人の渦からも地鳴りの様な拍手と声援が飛び交う。

日本を愛して下さる方達が、こんなにも手を叩いて、手を振って、笑顔で踊って下さっている。
我々のたどたどしい英語のMCに、笑って下さっている。

なんて幸せな光景なんだろうと思った。

大変だった事も、不安だった事も、全部吹き飛んでしまう。

ただただ、嬉しくて、色んなものを噛み締めた。



そして第一部を終えると、吉原狐社中の皆さんが到着された。

アメリカでの再会は、喜びも一入だった。

吉原狐社中さんの演舞を、日本ではない、アメリカの地で見ながら、様々な苦難を共に乗り越えて来た事が駆け巡り、涙が出そうになった。

そしてこの日の第二部で、「アメリカで『吉原狐舞甚句』を共に届けよう」という一つの夢が、叶った。


第二部が終わるとすぐさま荷物を抱えてバタバタとフィラデルフィアへ移動するバスへと乗り込む。




2015.4.17(日)
初めてフィラデルフィアで朝を迎える。
あまりの強行スケジュールに、毎晩寝る間も惜しんで翌日の準備や対策に追われ続けていた。
最早時間の感覚はなかった。
それでもフィリーという愛称で呼ばれるこの街は、とてもさわやかに朝を迎えさせてくれた。

歴史的な建造物が立ち並ぶ、美しい街だった。
名物のチーズステーキは、日本人には大き過ぎるけれど、絶品だった。
観光などの時間は全く取れなかった今年のツアーで、唯一、短い時間ながら街並みを見て、名物を食べられた、貴重な朝だった。

その後今回も我々の為に用意して下さっていたこれまた大き過ぎるバスが迎えに来てくれ(笑)、会場へ向かう。


無事会場入り。
バタバタと準備を済ませ、吉原狐社中さんとも合流。あっという間にステージへ。

広大な自然公園内に、ここでもまた前も左右も先が見えない程のお客様と、素晴らしいステージに迎えて頂いた。
どっと拍手が起こり、たくさんの声援が飛んだ。
ここでも我々のたどたどしい英語に温かく応えて下さり、わっと笑って下さった。
たくさん手拍子をして、手を振って、「吉原狐舞甚句」では「おおさえおおさえ!!」と叫んで下さる。

アメリカの方というのはとてもストレートに感情表現をされるので、そんな方達が数千、数万も集まった大群衆から発せられる拍手や声援というのは、「大きい」などという表現ではあまりにも不足過ぎて、最早、「渦」。「渦だ」 と感じる。
何度経験しても、体が震える程の感動に包まれる。

言葉も文化も違う国で、通じ合える事、そして向けて下さるたくさんの笑顔が、堪らなく嬉しかった。



終演後にはワシントン同様たくさんのお客様が会いに来て下さった。
たくさん写真を撮って、握手をして、サインにもたくさん応えさせて頂いた。
温かい賞賛のお言葉を、たくさん投げ掛けて下さった。
興奮した様子で一生懸命話して下さるのが、とても嬉しかった。


そうして、再びワシントンへの帰路へ。
バスの中では全員安堵感と疲れで爆睡状態だったけれど、それは本当に充実感に満ちた眠りだった。
深夜にワシントンのホテルに着き、そして翌朝には帰国の為空港へと向かう事になる。
無我夢中で、全てのステージをやり切った。
たくさんのハプニングやトラブルも、力を合わせて乗り越えられた。
一人では、絶対に出来なかった。
何もかも、全員の力でやり遂げた事ばかりだった。
そして、アメリカの人達のたくさんの優しさに、何度も助けて頂いた。
今年も米国という国は、温かい人達で溢れていたから。
スタッフの皆さんや通訳さん、それにたくさんのボランティアの皆さん、そして、数万人のお客様方。



今年もやっぱり米国で一番よく使った英語は、

「Thank you so much!!」 

本当に、ありがとう。









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